刀剣乱舞、刀剣女子の聖地となった神社について。そしてその魅力とは

刀剣女子の聖地となった神社

刀剣乱舞の人気に伴い、「刀剣女子」「お刀女子」という言葉が生まれ、刀剣展示に女性が殺到する現象が起きました。ファンは推しの刀剣男士のモチーフとなった刀剣の来歴や姿を調べ、展示があれば赴くようになり、さらには刀剣男士にゆかりのある神社を「聖地巡礼」するようになったのです。

代表的な聖地として、京都府八幡市に鎮座する相槌神社があります。千年以上前に創建されたと伝わるこの小さな社は、名刀「髭切」「膝丸」が作られた地とされ、刀剣乱舞に登場するキャラクターにゆかりのある場所として女性参拝者が急増しました。それまで知名度が低かった神社でしたが、刀剣女子たちの聖地巡礼の対象となり、本殿の修復への協力も集まるなど、地域復興にも貢献しています。

また、京都市東山区の粟田神社も重要な聖地の一つです。「粟田口」は刀鍛冶が集まった地として知られ、「三日月宗近」を作刀した三条小鍛冶宗近にゆかりがあります。粟田神社は「旅立ちの神」として古くから信仰されており、刀剣巡りの御朱印帳を他の神社と共同で作成するなど、ファンを歓迎する姿勢を見せています。

さらに、京都市北区の建勲神社は織田信長を祀る神社で、信長ゆかりの刀剣男士たちの聖地として人気があります。また、伏見区の藤森神社は「鶴丸国永」に縁のある場所として知られ、太刀「鶴丸」の写しが奉納・展示されるなど、刀剣女子を魅了しています。 刀剣乱舞から生まれた刀剣ブームは、日本刀や歴史への関心を高め、博物館や美術館、そして神社への参拝という形で文化的な活動を活性化させました。ファンの8割以上が「刀剣巡り」の経験があるというデータもあり、刀剣乱舞は単なるゲームやエンターテインメントの枠を超えて、日本の伝統文化や歴史を次世代に伝える重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

刀剣乱舞とは

刀剣乱舞は、2015年1月に正式サービスが開始されたDMM GAMESとニトロプラスによる刀剣育成シミュレーションゲームです。日本刀を擬人化した「刀剣男士」たちを育成し、歴史を守るために戦うという斬新な設定が話題となり、運営開始前から事前登録者数が100万人を超えるなど、大きな注目を集めました。運営開始直後には、プレイヤーの続出によりサーバーが追加され、一週間も経たないうちに新規登録ができなくなるほどの人気ぶりを見せました。

刀剣乱舞の魅力

刀剣乱舞の最大の魅力は、単なるイケメンキャラクターゲームではない点にあります。まず、刀剣男士たちは実在する名刀をモチーフにしており、それぞれの刀剣が持つ歴史や逸話がキャラクターに深く反映されています。例えば、「三日月宗近」は平安時代に作られた天下五剣の一振で、究極のマイペースな性格として描かれ、ファンからは「おじいちゃん」の愛称で親しまれています。また、「山姥切国広」は霊剣の写しとして作られたことをコンプレックスに思い、自身を布で隠すという設定があり、キャラクターに深みを与えています。

さらに、「それぞれの本丸」という考え方も大きな特徴です。ゲーム上では本丸での出来事や戦での動きは詳しく語られませんが、それによってプレイヤーは自由に想像を巡らせることができます。「うちの本丸ではこういう会話をしているかもしれない」と、100の本丸があれば100通りの物語が生まれるのです。。