福岡県の格式高い神社まとめ②|生きた信仰のかたちを伝える名社3選

歴史・史跡めぐり

福岡県には、古代から国家祭祀や海上交通と深く関わってきた神社が数多く残されています。

その中でも宗像大社、宮地嶽神社、織幡神社は、いずれも玄界灘に面し、神功皇后伝説や海人文化との関わりを今に伝える神社です。

遣唐使の航海安全を祈った宗像大社、神功皇后ゆかりの宮地嶽神社、そして鐘崎の海を見守る織幡神社。 今回は、海と神話、そして古代史をつなぐ福岡県の格式高い神社を紹介します。

本記事では、福岡県を代表する格式高い神社の中から、宗像大社・宮地嶽神社・織幡神社の三社を取り上げます。
いずれも性格の異なる神社ですが、古代から現代まで「祈り」が途切れることなく受け継がれてきた点で共通しています。


宗像大社(福岡県宗像市)|海の彼方に祈りを捧げた古代祭祀の中心地

創建の由来

宗像大社は、宗像三女神を祀る神社として知られています。特に注目すべきなのは、沖ノ島を中心とする祭祀の歴史です。
沖ノ島は現在も一般の立ち入りが厳しく制限された禁足地であり、その存在自体が神聖さを物語っています。

菊の御紋 撮影は筆者

御祭神

・田心姫神 たごりひめのかみ
・湍津姫神 たぎつひめのかみ
・市杵島姫神 いちきしまひめのかみ

沖ノ島を中心とする祭祀の歴史

『日本書紀(720年)』には、天照大神から宗像三女神へ「歴代天皇をお助けすれば、歴代天皇が祀るでしょう」という言葉が残されています。これは宗像が日本における最初の国際港であったため、海外との外交、貿易、国防的な機能を果たせば、天皇が祀るとされ、それは沖ノ島から出土した約八万点の国宝からも国家祭祀の痕跡が裏付けています。

沖ノ島からは膨大な数の奉献品が出土しており、古代の人々が命を懸けて航海の安全や国家の安泰を祈っていたことがうかがえます。
九州国立博物館で開催された「沖ノ島展」では、それらの遺物とともに、宗像大社が果たしてきた役割を改めて知ることができました。

現地を訪れて感じた空気感・体験

宗像大社は、福岡県でも人気のある神社で、常に多くの人が訪れています。古くから、遣唐使派遣の船の安全を祈願するための祭祀が古くから行なわれていたということから交通安全のご利益があると言うことで、多くの車が祈願に訪れています。

わたしも子どものころ、父親が車を運転していたので、家族で祈願に訪れていたことを思い出します。福岡県では、車に宗像大社の交通安全のステッカーを張っている車をよく見かけます。

個人的に印象に残った点

各地に神様が降臨した、鞍手町六ヶ岳にも宗像三女神が降臨したと言う伝説があります。そのようなことが神社創建の由来になったと言う伝承はいくらかあります。わたしは、この宗像大社の宗像三女神が降臨したと言う、高宮祭場に訪れた時ほど強い印象を持ったことはりませんでした。

高宮祭場 撮影は筆者

まとめ

宗像大社は、目に見える社殿だけでなく、見えない「海の向こうの神」への信仰を今に伝える、極めて特異な神社です。

現地を訪れて感じた空気感・体験

 太宰府天満宮の表参道はいつも賑わっており、多くの店が建ち並んでいます。祭神の菅原道真は学問の神様と言われていることから受験の合格祈願の神社でもあり受験シーズンになると多くの受験生が訪れます。

個人的に印象に残った点

20年近く前になりますが、長女が受験生の時、翌年の県立高校の受験を控え合格祈願のためここを訪れました。大晦日の8時ごろ到着。1月1日が近づくにつれて、どんどん人が増えてきました。カウントダウンの時間には、すごい人でごった返していました。

残念ながら、県立高校は受からず、私立女子校に行きましたが、3年間1日も休ます出席し、友達にも恵まれています。

宮地嶽神社(福岡県福津市)|民間信仰と古代史が交差する社

由緒

宮地嶽神社は、神功皇后を祀る神社として知られています。伝承によれば、神功皇后が渡韓の際に宮地嶽の頂で祈りを捧げたことが始まりとされています。

御祭神

  • 息長足比売命(おきながたらしひめのみこと、神功皇后)
  • 勝村大神(かつむらのおおかみ)
  • 勝頼大神(かつよりのおおかみ)

拝殿に掲げられた巨大な注連縄は圧倒的な存在感があり、その大きさは日本一とされています。

古代から現代風景に繋がる宮地嶽神社の魅力

楼門 撮影は筆者

宮地嶽神社には、注連縄のほかにも大鈴や太鼓といった「日本一」があり、信仰の力強さを視覚的にも感じることができます。
また、本殿奥に鎮座する奥之宮八社の中には、宮地嶽大塚古墳にあたる不動神社があり、古墳の羨道や出土品からは古代の豪族の存在がうかがえます。

近年では、表参道の先に夕日が沈む「光の道」が話題となり、多くの人が訪れるようになりました。
古代史、民間信仰、そして現代の風景が重なり合う点に、宮地嶽神社ならではの魅力があります。

現地を訪れて感じた空気感・体験

普段の宮地嶽神社は静かな空間です。わたしが訪れたのは、「光の道」が話題になる随分前ことです。参拝して戻る時に、表参道の石段を下りようとすると、必ずと言って良いほど、この表参道が海に向かって一直線に伸びていることに気づくはずです。わたしも気づいていましたがこれほど話題になるとは思いませんでした。世界的に見てみても農耕で生計を立てていた人々は、太陽の方向で季節を知りました。この「光の道」は決して偶然ではなく、古代の人たちの営みの中で意図的に作られた物だろうと思います。ここにも歴史ロマンが存在しています。

宮地嶽神社には何度か行ったことがありましたが、当初は「奥之宮八社」の存在は知りませんでした。何回目かに知り、本殿の奥から入ろうとした時、本殿の屋根が異様に輝いているのに気づきました。本殿の屋根は太陽の光を浴びて眩しいほどに金色に輝いていたのです。

「光の道」といい「金色に輝く屋根」といい、宮地嶽時神社は太陽と関連が深いように思います。

表参道 撮影は筆者

個人的に印象に残った点

わたしが、大人になってから、宮地嶽神社を訪れたのは、まだ「光の道」が有名になる前でした。

その頃から、表参道が海に向かって一直線に伸びていることは気づいていました。のちにこんなにに話題になるともは思っていませんでした。


織幡神社(福岡県宗像市鐘崎)|海と神話をつなぐ鐘崎の古社

由緒

実際の創建年代は明らかではありませんが、神社の由緒によると、神功皇后の三韓征伐の際、武内宿禰が軍勢を整え、神の加護によって赤白二流の軍旗を織り上げたことが「織幡」の名の由来と伝えられています。

御祭神

  • 武内宿禰(たけのうちのすくね)
  • 住吉大神(すみよしのおおかみ)
  • 志賀大神(しかのおおかみ)
  • 宗像大神(むなかたのおおかみ)
  • 八幡大神(はちまんのおおかみ)

筑前海女発祥の地と海人族

 宗像市の鐘崎漁港を見守るかのような場所に鎮座する古社

鐘崎漁港 撮影は筆者

 宗像大社も古くから遣唐使の航海の安全祈願の祭祀を行っていました。

また、秋季大祭として行われる、沢山の漁船が神様を載せた船を中心にパレードする「みあれ祭」は、古書によると、神功皇后が朝鮮半島に出兵した際に、宗像大社に祀られている宗像三女神(むなかたさんじょしん)の守護を受けたとされます。その加護のもと成功を治めて無事帰還したことが、このまつりの起源といわれています。

また、鳥居をくぐると、海女の象があり、筑前海女発祥の地を書かれています。

宗像大社との関係や海女発祥の地という伝承からも、この地域が古くから海人たちの活動拠点であったことがうかがえます。

現地を訪れて感じた空気感・体験

拝殿 撮影は筆者

まず、鐘崎漁港に到着すると、漁港にすぐそばの平坦な海辺に、こんもりと、お椀を伏せた様な形の山が見えます。

その山を登ると、拝殿があります。

登る途中、木々の隙間から鐘崎漁港を見下すことが出来ます。
 まるで鐘崎漁港を見守るかのような場所に鎮座しています。

個人的に印象に残った点

 境内で私が最も興味を持ったのは、武内宿禰昇天伝説でした。

案内板には、武内宿禰が両沓を残して昇天したと記されています。

 「昇天」とはどのような意味なのか詳しくは分かりません。しかし武内宿禰は神功皇后の側近として知られ、その後も応神天皇に仕えたと伝えられる人物です。この不思議な伝承が、今も境内に残されていることが印象的でした。

まとめ

宗像大社は国家祭祀の中心として航海の安全を祈り、宮地嶽神社は神功皇后伝説を今に伝えています。そして織幡神社には、武内宿禰や海人たちの記憶が色濃く残されています。

神社を巡っていると、単なる信仰の場というだけでなく、古代の人々が海をどのように見ていたのか、その歴史や伝承まで感じられることがあります。

福岡県の海沿いには、今も神功皇后や宗像三女神にまつわる伝承が数多く残されています。これらの神社を巡ることで、古代史と海人文化のつながりをより深く感じることができるでしょう。 本記事は「福岡県の格式高い神社」を巡るシリーズの一つです。ここで紹介した各神社について下記の記事に置いて詳しく紹介しています。



福岡県の格式高い神社は、単に古い建物や有名な伝説を持つ場所ではありません。
それぞれが時代とともに役割を変えながら、祈りの場として生き続けてきました。

本記事で紹介した三社を訪れることで、書物だけでは分からない「信仰の重なり」を感じることができるはずです。


本記事は「福岡県の格式高い神社」を巡るシリーズの一つです。ここで紹介した各神社について下記の記事に置いて詳しく紹介しています。

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