日本は世界屈指の豪雪地帯
日本は温帯気候に位置する国でありながら、実は世界でも有数の「豪雪国」として知られています。アメリカの気象情報会社AccuWeatherが行った調査によると、人口10万人以上の都市における年間降雪量の世界ランキングで、驚くべきことにトップ3を日本の都市が独占しているのです。第1位は青森市(約7.92メートル)、第2位が札幌市(約4.85メートル)、第3位が富山市(約3.63メートル)となっており、これほど多くの人々が暮らす都市で、これだけの降雪量を記録する地域は世界的にも極めて珍しい存在です。
日本の豪雪地帯は、主に北海道、東北地方日本海側、北陸地方、そして近畿地方北部から中国地方日本海側にかけて広がっています。特に青森市は気象庁の記録によると、1944年度(昭和19年度)には年間降雪量が14.93メートルに達し、1985年度(昭和60年度)にも12.63メートルを記録するなど、長年にわたって豪雪と向き合ってきた歴史があります。

日本海側に豪雪をもたらすメカニズム
では、なぜ日本の日本海側にこれほど大量の雪が降るのでしょうか。そのメカニズムには、日本列島の地理的位置と日本海の存在が深く関わっています。
冬になると、シベリア高気圧から冷たく乾燥した北西の季節風が日本に向かって吹き出します。この季節風は摂氏マイナス30度以下にもなる極寒の空気の塊ですが、日本海を渡る際に重要な変化が起こります。冬でも10度以上の水温を保つ暖流の対馬海流が流れる日本海の上空を通過する際、冷たい空気が海面から大量の熱と水蒸気を吸収し、まるで冬の冷えた浴室で熱いお風呂から湯気が立ち上るように、急速に湿った空気へと変化するのです。
この湿った空気が日本列島の中央に連なる脊梁山脈にぶつかると、強制的に上昇させられます。空気は上昇すると冷えて水蒸気が凝結し、雪雲が発達します。そして山脈の日本海側斜面や日本海側の平野部に大量の雪を降らせるのです。一方、山を越えて太平洋側に吹き降りる風は、すでに水分をほとんど失っているため、太平洋側では冬は乾燥した晴天の日が多くなります。

さらに、日本海側の豪雪を一層激しくする現象として「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ:Japan Sea Polar Air Mass Convergence Zone)」があります。これは、大陸から吹き出した冷たい季節風が朝鮮半島北部の長白山脈(白頭山)にぶつかり、いったん二手に分かれた後、日本海上で再び合流することで形成される帯状の収束帯です。この収束帯では雪雲が組織的に発達し、北陸地方を中心に記録的な大雪をもたらすことがあります。
世界の豪雪都市トップ10
それでは、世界の豪雪都市はどのような順位になっているのでしょうか。人口の多い都市における年間平均降雪量のランキングを見てみましょう。
| NO. | 都市(国) | 年間平均降雪量 |
| 1 | 青森市(日本) | 約7.92メートル |
| 2 | 札幌市(日本) | 約4.85メートル |
| 3 | 富山市(日本) | 約3.63メートル |
| 4 | セント・ジョーンズ(カナダ) | 約3.32メートル |
| 5 | シラキュース(アメリカ・ニューヨーク州) | 約3.14メートル |
| 6 | ケベック・シティ(カナダ) | 約3.14メートル |
| 7 | 秋田市(日本) | 約2.68メートル |
| 8 | 新潟市(日本) | 約2.50メートル |
| 9 | シャーロットタウン(カナダ) | 約3.12メートル |
| 10 | バッファロー(アメリカ・ニューヨーク州) | 約3.12メートル |
このランキングからも明らかなように、世界の豪雪都市の上位は日本の都市が占めており、日本がいかに特別な豪雪地帯であるかがわかります。比較として、アメリカの大都市ニューヨーク市の年間降雪量は約0.68メートルですから、青森市はその約12倍もの雪が降る計算になります。
日本の豪雪地帯に暮らす人々は、長年の経験から雪と共存する知恵を育んできました。富山県では信号機のランプが縦に並んでいるのは、雪の重みで折れないようにするための工夫です。また、除雪体制の整備や雪国特有の建築様式など、豪雪という厳しい自然環境に適応した独自の文化が形成されてきました。
世界有数の豪雪地帯である日本。その雪は時に大きな災害をもたらす一方で、美しい雪景色や雪国文化という貴重な財産も生み出しています。地球温暖化が進む現代においても、日本の冬の降雪パターンは今後も私たちの生活に大きな影響を与え続けることでしょう。
日本がここまで降雪が多い国であるとは意外でした。ロシアや北欧、アラスカなど寒い国の方が雪が多いと思っていたのですが、調べてみてこのようなことが分かりました。


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