平成筑豊鉄道が廃止され、路線バスへ転換される方針が決まったという報道がありました。
これを知ったとき、私には大きな衝撃でした。
2026年9月5日の毎日新聞は、福岡県が平成筑豊鉄道の鉄道運行を2028年度末に終了させる方針を固めたと報じました。
(出典:毎日新聞、2026年9月5日)
ただし、具体的な転換時期はまだ決まっていません。今後のスケジュールについては、公式発表を確認する必要があります。
鉄道の廃止は残念ですが、平成筑豊鉄道には、明治時代に建設された貴重な鉄道遺産が残されています。また、ローカル線ならではの車窓の風景も魅力です。
鉄道が走っている今、沿線の史跡や風景を訪ねてみてはいかがでしょうか。
今回は、私が実際に訪れ、撮影した平成筑豊鉄道の鉄道遺産と沿線の風景をご紹介します。
第二今川橋梁

第二今川橋梁は、みやこ町にある歴史ある鉄橋です。
田川市立図書館の「筑豊・田川デジタルアーカイブ」によると、建設当初は橋脚が1本のアーチ橋で、「二〇〇フィートの大鉄橋」と呼ばれていました。
その後、列車の長大化に対応するため橋脚が追加されました。現在も建設当初の橋台が残っており、橋の構造の変遷をうかがうことができます。
(出典:田川市立図書館「筑豊・田川デジタルアーカイブ」)
橋梁は、「源じいの森」駅から行橋方面へ下る途中の道路から見ることができます。
周辺には森に囲まれた山々と田園風景が広がり、のどかな景色を楽しめます。
線路沿いには桜並木もあり、春には満開の桜を車窓から眺めることができます。
H2 石坂トンネル

平成筑豊鉄道田川線の崎山駅と油須原駅の間には、第一石坂トンネルと第二石坂トンネルがあります。
いずれも明治28年(1895年)に完成したトンネルで、明治時代の鉄道建設の技術を今に伝える貴重な遺産です。
平成筑豊鉄道の公式サイトでは、石坂トンネルを九州最初の鉄道トンネルとして紹介しています。また、第二石坂トンネルは登録有形文化財となっています。
(出典:平成筑豊鉄道「へいちくの魅力」、文化庁「文化遺産オンライン」)
山あいに残るレンガ造りのトンネルは、当時の鉄道建設の歴史を感じさせてくれます。
石坂トンネルは、源じいの森の入口近くにあります。
キャンプ場へは、受付をしなくては入れませんが、キャンプ場入口の右側に石坂トンネルほ近くへ行く通路があります。
崎山八幡宮

崎山駅から田川方面へ約500mのところに、崎山八幡宮があります。
この神社の特徴は、一の鳥居と二の鳥居の間を平成筑豊鉄道の線路が横切っていることです。全国的にも珍しい光景ではないでしょうか。
二の鳥居では、逆立ちをした狛犬が出迎えてくれます。
境内の天井絵も見どころの一つです。
神社の由緒については、福岡県観光情報サイト「クロスロードふくおか」でも紹介されています。
私は崎山駅ではなく、豊津駅で下車して歩きました。
豊津駅周辺の線路沿いには菜の花が密集していました。
駅を出た列車はまだ速度が上がっていないため、写真を撮りやすいのではないかと考えたからです。
平成筑豊鉄道の線路は、崎山八幡宮の参道を横切っています。
車道から左に入ると参道があり、その一帯だけがこんもりとした森に覆われています。赤い橋を渡って鳥居をくぐり、線路を越えると、長い階段が続きます。
境内は森に囲まれていますが、日差しが入り、明るい雰囲気でした。
後になって知ったのですが、境内には「神功皇后腰掛石」もあるそうです。次に訪れる機会があれば、ぜひ確認してみたいと思っています。



2019年復元前の手荷物預所 撮影は筆者
油須原駅は、明治28年(1895年)に豊州鉄道が開業した当時からある駅の一つです。その後、国鉄、JR九州の田川線を経て、平成筑豊鉄道へ引き継がれました。
また、2007年に放送されたフジテレビ系ドラマ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の撮影地としても知られています。
ドラマでは、主人公が旅立つ駅として登場しました。
長年使われてきた木造駅舎は、2022年に復元改装されました。
木質の建具やレトロ調の照明などを取り入れ、昔ながらの雰囲気を残しながら整備されています。
(出典:平成筑豊鉄道「へいちくネット」)
私が初めて油須原駅を訪れたのは、2019年でした。
今回、改めて写真を見返すと、復元前の駅舎の姿を撮影していたことが分かります。
当時は、木の外壁や窓枠がかなり傷んでいたという記憶があります。
出札所や手荷物預かり所などの看板も残っていました。
今思えば、復元前の貴重な姿を記録できたことになります。
現在の駅舎は、外観も内部もレトロな雰囲気を残しながら、きれいに生まれ変わっていました。
昔の姿と現在の姿を見比べると、駅が大切に受け継がれていることを感じます。
H2 内田三連橋梁

内田三連橋梁は、平成筑豊鉄道田川線の赤駅と内田駅の間にある、明治28年(1895年)竣工の三連アーチ橋です。登録有形文化財にもなっています。
文化庁の「文化遺産オンライン」によると、橋の上流側は切石が貼られ、下流側は複線化を考慮して、レンガに凹凸をつけて積む工法が採用されています。
この凹凸が、橋に独特の縞模様を生み出しています。
(出典:文化庁「文化遺産オンライン」)
内田駅から行橋方面へ少し戻ったところにあり、田んぼの中を通る橋の姿を見ることができます。
道路側から見ると白い石積みですが、反対側に回ると赤レンガが現れます。
複線化を考慮した構造が、結果として橋の両側に異なる表情を生み出しているのです。
私が訪れたときは、列車が通るのを待って撮影することができました。レンガ造りの橋を列車が渡る姿は、印象に残る光景でした。
H2 嘉麻川橋梁

嘉麻川橋梁は、平成筑豊鉄道伊田線の南直方御殿口駅とあかぢ駅の間で、遠賀川を渡る鉄橋です。
全長は約221m。遠賀川はかつて嘉麻川と呼ばれており、橋の名称にもその名が残っています。
この区間は、筑豊地方で産出された石炭を輸送するために整備された鉄道路線の一部です。橋台にはレンガが使われ、上り線の橋梁には建設当時のイギリス製の鉄橋が残っていると、直方市観光ポータルサイトで紹介されています。
実際に近くで見ると、巨大な鉄橋です。
建設から100年以上が経過しているとは思えないほど、丁寧に整備されている様子がうかがえました。
橋梁を訪れる際は、列車であかぢ駅まで行き、駅から歩いて向かう方法があります。
周辺を歩く際は、線路内に立ち入らず、安全な場所から見学しましょう。
(出典:直方市観光ポータルサイト)
H2 季節の風景|桜・菜の花・コスモス

平成筑豊鉄道は、沿線の自然や季節の花も魅力です。
春には菜の花が咲き、場所によっては桜並木も満開になります。秋にはコスモスが沿線を彩ります。
鉄道遺産を訪ねるだけでなく、車窓から季節の移り変わりを楽しむのも、ローカル線ならではの旅の魅力です。
まとめ
平成筑豊鉄道には、明治時代に建設された橋梁やトンネル、長い歴史を持つ駅舎など、今に残る貴重な鉄道遺産があります。
沿線には、神社や田園風景、季節の花など、ゆっくりと訪ねたい場所もあります。
鉄道を廃止してバスへ転換する方針は決まりましたが、具体的な時期はまだ確定していません。
今後の動向を見守りながら、鉄道が走っている今の風景を記録していきたいと思います。
皆さんも、平成筑豊鉄道に乗って、沿線の歴史や風景を訪ねてみてはいかがでしょうか。
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