織幡神社を訪ねる|神功皇后伝説と武内宿禰が残る鐘崎の古社

歴史・史跡めぐり

宗像大社を参拝したあと、鐘崎漁港へ向かいました。

港の先には、海に突き出したお椀を伏せたような丸い山が見えます。その山頂に鎮座しているのが織幡神社です。

この神社には、神功皇后の三韓征伐伝説や武内宿禰の昇天伝説が残されています。私は以前から北九州各地に残る神功皇后伝説を調べながら神社を巡っていました。その流れで訪れたのが織幡神社でした。

織幡神社とは

織幡神社は宗像市鐘崎に鎮座する古社です。

神社の由緒によると、神功皇后の三韓征伐の際、武内宿禰が軍勢を整え、神の加護によって赤白二流の軍旗を織り上げたことが「織幡」の名の由来と伝えられています。

実際の創建年代は明らかではありませんが、武内宿禰をはじめ、住吉大神、志賀大神、宗像大神、八幡大神など多くの神々が祀られています。

住吉大神や志賀大神は海の守護神として知られており、鐘崎が海人たちの活動拠点であったことを思わせます。

また、神功皇后伝説の中には、北九州の海岸線や古遠賀湾を舞台とした話が数多く残されています。織幡神社も、その伝承の一つとして語り継がれてきたのでしょう。

鐘崎漁港から神社へ

筑前鐘崎海女の象 撮影は筆者

宗像大社から車を走らせ、鐘崎漁港に到着しました。

港の近くには「筑前鐘崎海女発祥の地」と書かれた海女の像があります。

鐘崎は古くから漁業の盛んな町として知られていますが、海女発祥の地という伝承が残っていることは知りませんでした。

海女像の前から見上げると、小高い山の上に織幡神社があります。

海と神社。

その組み合わせだけでも、この土地が海と深く結びついてきたことを感じます。

鳥居をくぐり、参道を歩き始めました。

長い石段の先にある社殿

参道を進むと長い石段が現れます。

私は最近、自転車で長距離を走ると膝が痛くなることが増えました。

この日も石段を登るにつれて膝に違和感が出てきました。

途中で振り返ると、木々の間から鐘崎漁港が見えます。

青い海と漁港の風景は美しく、しばらく足を止めて眺めてしまいました。

古代の海人たちも、この景色を見ながら海へ出て行ったのかもしれません。

そんなことを考えながら、さらに石段を登っていきました。

武内宿禰昇天伝説とは

武内宿禰沓塚 撮影は筆者

石段を登り切ると社殿があります。

境内で私が最も興味を持ったのは、武内宿禰昇天伝説でした。

案内板には、武内宿禰が両沓を残して昇天したと記されています。

私は思わず立ち止まりました。

昇天したとはどういう意味なのでしょうか。

ここで亡くなったということなのか。

それとも神になったということなのでしょうか。

武内宿禰は神功皇后の側近として知られ、その後は応神天皇にも仕えたと伝えられています。

伝説では三百年以上生きたとも言われ、日本各地にゆかりの地が残っています。

織幡神社の昇天伝説も、そのような数多くの伝承の一つなのでしょう。

しかし実際にその場所に立ってみると、単なる伝説として片付けることのできない不思議な魅力を感じました。

境内から見える鐘崎の海

鐘崎漁港 撮影は筆者

境内の高台からは鐘崎の海を見渡すことができます。

眼下には漁港が広がり、その先には玄界灘が続いています。

宗像大社の沖津宮がある沖ノ島も、この海の彼方にあります。

宗像氏は古代から海上交通を支配し、大陸との交流にも深く関わっていました。

この海を見ていると、神功皇后伝説や海人たちの活動が、単なる神話ではなく海と共に生きた人々の記憶なのではないかと思えてきます。

織幡神社を歩いて感じたこと

織幡神社は決して大きな神社ではありません。

しかし神功皇后伝説、武内宿禰伝説、海女発祥の地という伝承が重なり合い、古代の海人文化を今に伝えているように感じました。

私は北九州の神社巡りを続ける中で、多くの神功皇后伝説に出会ってきました。

神社だけではありません。

地名や古い伝承にも、その痕跡が数多く残っています。

織幡神社もまた、その長い歴史の流れの中にある場所でした。

まとめ|海と神話をつなぐ鐘崎の古社

北九州市から宗像、福岡市周辺にかけては、神功皇后が船で移動したという伝説が数多く残っています。

皇后崎や垣生神社などもその一例です。

私も最初は神社巡りのつもりでした。

しかし調べていくうちに、神社だけでなく地名や伝承までもがつながっていることに気づきました。

織幡神社は、その歴史のつながりを感じさせてくれる神社です。

神功皇后が実在したかどうかは分かりません。

しかし、その物語が千年以上にわたって語り継がれ、多くの神社や地名として残っていることは事実です。

織幡神社を訪れたことで、私の神功皇后伝説探しはさらに深く広がっていきそうです。

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